今回は、ひざ痛予防に太ももを鍛えるより大切なこと、というテーマについて解説させて頂きます。
✅最近ひざに痛みがあって思うように動けない…
✅太ももを鍛えるといいと言うけど、どう鍛えたらいいかわからない
こんなご相談をよく頂きます。
確かに、ひざの動きには太ももの筋肉が強く関わっていて、特に前ももの筋肉はひざ痛に関わっているということはよく言われています。
ただ、どういった部分で関わっているのかというようなことを、あまり深く考えずに闇雲に鍛えようとしてしまうと、かえって負担がかかってしまったり、根本的な原因が解消されないためになかなか良くならない、というケースも少なくありません。
そこで今回は、ひざ痛予防に太ももを鍛えるより大切なこと、というテーマについて解説させて頂きます。
この記事をご覧頂くと、
🔴ひざ痛の時に太ももを鍛える前に大事にしたいポイント
🔴トレーニングの第一歩としておススメできる意外な取り組み
等ということについて、わかるようになっていますので、ぜひ最後までご覧ください。
■動画で解説はこちら
ひざ痛予防に太ももを鍛えるのが大事と言われる理由
まず、ひざ痛予防に太ももの筋肉が大事だと言われる理由について、解説させて頂きます。
前述の通り、太ももでも特に前ももの筋肉が、ひざ痛には影響が強いと言われますが、その理由は、主に関節の安定性というところにあると思います。
前ももの筋肉には、ひざを伸ばすという役割の他に、もう1つ、重要な役割として止まる、ブレーキをかけるということがあります。
歩いていて急に止まったり、動きの中で必要以上に ひざが曲がりすぎないようにするというのも、前ももの筋肉を使って調整する部分がありますので、これらのシーンで関節に負担をかけないように前ももの筋肉を鍛えることや、そういった中での疲労や硬さによって、ひざに負担がかからないようにストレッチ等が勧められることがあります。
確かに、ひざの関節と前ももの筋肉には、これらのような関係はあるのですが、この前ももへのアプローチを考える前に考えるべきポイントがありますので、ご紹介したいと思います。
根本的な改善には骨盤が大事
ひざ痛予防に向けて、前ももよりも大事にしたいポイントとして骨盤の位置とバランスを整えるということがあります。
なぜ、ひざ痛なのに骨盤を先に考えるべきかというと、骨盤の位置やバランスが良くないと姿勢が崩れ、普段の動きの中でひざの関節に負担がかかりやすくなるからです。
特に日本人で多いのは、骨盤が後ろに倒れるようになって位置が下がっているケースです。
これはいわゆる猫背と言われるような状態ですが、こうなると骨盤の両サイドの耳のような形の部分が外に開きやすくなる傾向があり、いわゆるO脚のような状態になりやすくなります。
O脚のようなバランスになると、ひざの内側には圧迫ストレス、ひざの外側には伸ばされるストレスが加わり続けますので、何もしていなくてもひざは不安定な状態になります。
また、これもよく見られる骨盤が後ろに引けるような姿勢では、骨盤が過度に前に倒れた状態になっていることが多いのですが、この場合、骨盤の両サイドにある部分が内側に閉じやすくなる傾向があり、いわゆるX脚のような状態になりやすくなります。
X脚のような状態になると、ひざの内側には伸ばされるストレス、ひざの外側には圧迫ストレスがかかり続けることになりますので、この場合もひざは不安定な状態になります。
さらに骨盤は脚の付け根でもありますので、この位置が下がると地面との距離が近くなって、真っ直ぐひざを伸ばすことができず、ひざが曲がった状態が続きます。
セクション1でお伝えしたように、このひざが曲がった状態を保つのにも前ももの筋肉は使われますので、こういったバランスで動き続ける中で、この筋肉の疲労や硬さを介してひざには負担がかかりやすくなります。
また、こういった負担は一歩ごとにかかりますので、どれだけ前ももにアプローチしたとしても、抗うのが難しくなってきます。
ですので、まずアプローチすべきは、太ももよりも骨盤になるというわけです。
骨盤のバランスを整えるには上半身のトレーニングが大事?
それでは最後に骨盤のバランスを整えるには、まず上半身のトレーニングがいい、という話をさせて頂きます。
ここまでひざ痛予防の取り組みとして、骨盤のバランスを整えるのがいい、という話をさせて頂いたので、骨盤周りを動かす下半身のトレーニングが良いのでは、と思われている方もいると思います。
確かにそれは一つの方向性ではあるのですが、下半身のトレーニングを行う中では種目によって、ひざを曲げ伸ばす動きが入ったり、ひざに直接負荷がかかるものもあるので、ひざに痛みがあると取り組み自体で痛みを感じてしまう、というケースも出てくる可能性があります。
そうなると、トレーニングも思うようにできなかったり、かえってひざの痛みが取れない原因にもなってしまいます。
また こういったケースでは、骨盤周りの筋肉が硬くなっていることが多いので、下半身を動かそうとする中で骨盤のポジションが良い形で保てず、十分トレーニングの成果が見込めないという可能性もあります。
そこで、私たちがおススメしているのが、上半身を動かすトレーニングから始めるということです。
上半身の筋肉の中でも広背筋(こうはいきん)という筋肉は、骨盤、背骨から肩をつなぐ大きな筋肉で肩の動きだけでなく、骨盤の動きにも関わっています。
上半身のトレーニングの中で、この筋肉がうまく使えると、上半身の動きだけではなく、骨盤の動きも引き出せますので、ひざに直接負荷をかけない中で骨盤のバランスを整えるのに役立ちます。
実際に広背筋をうまく使って、骨盤のバランスを整えるトレーニング動作の一例としては、次のようなものがあります。
また、トレーニングではありませんが、上半身の筋肉のこういった特性を利用した姿勢づくりも骨盤のバランスを整えるのに役立ちます。
具体的には、腰幅のスタンスでつま先を真っ直ぐ向けた状態をつくり、この状態から腕を真上に上げていくという動きを行っていきます。
この時、腹筋の辺りから真上に引き伸ばすようなイメージで腕を上げていけると、それに伴って骨盤の位置も自然に高くなり、ひざに負担がかかりづらい骨盤の安定したバランスがとりやすくなります。
ただし、この時の足の裏の体重の位置がかかと側になっていたり、親指側になってしまっていると、骨盤のバランスが良い形で収まりづらくなりますので、足の裏の土踏まずの外側あたりから薬指の付け根くらいの位置でバランスをとることが大事になります。
今回のまとめ
今回は、ひざ痛予防に前ももを鍛えるよりも大切なこと、というテーマについて解説させて頂きました。
🌟ひざ痛予防には太ももよりも まず骨盤のバランスを整えるのが大事
🌟上半身のトレーニングも広背筋等を介して骨盤のバランスに影響する
🌟上半身を使った姿勢づくりも骨盤のバランスを整えるには効果的
こういった内容をお伝えさせて頂きました。
ひざの関節には、太ももの筋肉がついていますので、この筋肉の影響も確かにあるのですが、その手前で負担がかかるバランス自体を改善することが、根本的なひざ痛予防につながると思いますので、ぜひ今回の内容も参考にして頂ければと思います。
それでは今回はここまでとなります。
最後までご視聴頂き、ありがとうございました。
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