柔軟性が高いとケガしにくい?ケガしやすい?

今回は『柔軟性が高いとケガしやすいのか?ケガしづらいのか?』というテーマについて解説させて頂きます。

✅柔軟性は大事だけど 柔らかすぎるのも良くないと聞いた

✅故障予防には柔らかい方がいいのか、ある程度硬い方がいいのか

こんなご相談を頂くことがあります。

確かに 柔軟性を高めると、身体がスムーズに動くので身体への負担が減り、ケガや不調が減るという見方がある一方で、柔らかすぎるとケガやパフォーマンスの低下につながる、という意見もあります。

実際に、身体が柔らかいのにケガしやすい人、身体が硬くてもケガづらい人がいるのも事実です。

こうなると、どのくらいまで柔軟性を高めていくのが適切なのか、柔軟性を高めるべきなのか、そうでないのか、というところで迷ってしまうかもしれません。

そこで今回は、『柔軟性が高いとケガしやすいのか?ケガしづらいのか?』というテーマについて、それぞれの見方を解説しながら、考え方のポイントをお伝えしようと思います。

この記事をご覧頂くと、、、


🔴柔軟性と故障とのつながりについて様々な角度からの見方

🔴具体的にケガ予防やパフォーマンスアップにつなげるポイント


等について、わかるようになっていますのでぜひ最後までご覧ください。

■動画で解説はこちら

柔軟性が高いとケガしにくいと言われる理由

まず初めに柔軟性が高い方がケガしにくい、という見方について解説していきたいと思います。

筋肉は関節をまたいでついていますので、この筋肉が硬くなっていると関節の動きに偏りができ、本来取るべき姿勢やフォームが取りづらくなる、ということがあります。

具体的には、お尻や裏ももの筋肉が硬くなると、骨盤が後傾という腰が丸くなるような状態になりやすく、この状態で動くと前に進む時に必要なお尻、裏ももの筋肉などがうまく使いづらくなります。

こうなると前に進むために、ヒザ周りや足首周りのあまり大きくない筋肉を酷使せざるを得なくなり、これらの周りの筋肉や関節に負担をかけやすくなります。

また先ほどお伝えしたように、筋肉は関節をまたいでついていますので、筋肉が硬くなると関節がスムーズに動かなかったり、野球やゴルフ、テニスなどで身体をスピーディーに大きく捻る等の動きの際に、スムーズに伸びないことで負担がかかってしまうという可能性もあります。

こういった面で、ケガ予防のために柔軟性を高めておきたい、という見方があります。

柔軟性が高すぎるとケガしやすいと言われる理由

一方で、柔軟性が高すぎると、ケガしやすくなるという見方もありますので、その内容について解説したいと思います。

こういった視点でよく言われているのが、身体が動きすぎてかえってうまく動けないということや身体が柔らかいことで、関節に負担のかかる位置まで動けてしまうので、それがケガにつながってしまわないか、というような内容です。

例えば、ボールを投げるような動きでいうと、肩が柔らかい状態で大きく後ろに引いてから投げるような動き方をしていると、肩が大きく動くあまり、必要以上に腕が後ろに引けてしまい、かえって腕が振りづらくなったり、それによって肩やひじ等に負担がかかってしまう、ということはあるかもしれません。

また、足首やひざが内側に折れるようなバランスは、それぞれの関節に負担をかけるバランスですが、こういうポジションを物理的に取れる人と取れない人とでは、取れる人の方がこのバランスが原因で起こるケガは起こりやすい、という見方もできるかもしれません。

柔軟性の前に身体を上手く使うという考え方が大事

では、結局のところ柔軟性は高めた方がいいのか、高めすぎない方がいいのか、ということですが、この点について私たちがおススメしている考え方をご紹介したいと思います。

それは、柔軟性云々の前に「身体を上手く使うのが大事」ということです。

先程のボールを投げる例がわかりやすいと思いますが、大きく後ろに腕を引いて投げるような動き方では、柔軟性が仇となって、大きく後ろに動きすぎることで、かえってロスになる可能性があること、あまり柔軟性がなくて後ろに腕が動きすぎないことで、このようなロスが少なくなる等はあるかもしれません。

ただ、これは前提として大きく後ろに腕を引いて投げる、という投げ方をしているということがあります。

これが例えば、同じ腕を身体の後ろに位置させるという動きでも、止まった腕の位置に身体が入っていく、という動きになるとどうでしょう。

柔軟性が高い状態でも、必要以上に後ろに腕が持っていかれずにコントロールできることに加え、柔軟性が高い分、このポジションをとることに余裕があるので、力まずに動きやすくなります。

一方、肩周りの柔軟性がない場合は、先程の例でもそうですが、現状の動く範囲のMAX近くまで動いている状態なので、筋肉が緊張して力んだ動きになりやすい、という面がデメリットとして出てきます。

ですので、柔軟性が高ければ高いほどケガしづらい、あるいはケガしやすい、ということではなく、こういった負担をかけない身体の使い方ができているかどうか、ということが最も大事で、その使い方のバランスを無理なくとるために必要な柔軟性は高めていく、という考え方が大事になると考えています。

多くの方に共通する特に柔軟性を高めたい場所

それでは、最後に多くの方に共通する柔軟性を高めたい場所について解説させて頂きます。

先程、ご紹介させて頂いたように、良い身体の使い方を求めるにあたって特にどういう場所、どういう動きの柔軟性が必要か、という部分は個人差があるところではありますが、共通して柔軟性を高めておきたい部分があります。

それが、肩甲骨や股関節の周りです。

構造的に、肩甲骨は肩の動きの中心、股関節は脚の動きの中心なので、これらの部分が上手く動かないとそれ以外の肩、ヒジ、手首、ひざ、足首等に負担が偏ってしまい、故障につながりやすくなります。

また、肩甲骨、股関節周りというのは姿勢のバランスを担う身体の中核部分にありますので、バランス良く柔軟性を高めておくことは、良い姿勢づくりにもつながり、この点でも故障や不調を防ぐのに役立ちます。

そのうえで肩甲骨の特にどういう動きが硬いのか、股関節のどの方向への動きが足りないのか、等を確認して改善していくことで、より効果的に故障や不調の予防につなげられると思います。

具体的に肩甲骨、股関節にどういう動きがあるか、ということについては別の動画で解説していますのでこちらも参考に見てみて頂ければと思います。

①スポーツ、日常でも大切な肩甲骨の4つの動き
https://youtu.be/r41pgwn-nhI

②スポーツ、日常でも大切な股関節の6つの動き
https://youtu.be/A6EgIbsBttM

今回のまとめ

それでは今回のまとめです。

今回は「柔軟性が高いとケガしやすいのか?ケガしづらいのか?」という内容について解説させて頂きました。


◉柔軟性は関節の動きをスムーズにしたり、姿勢が整う等、ケガ予防につながる部分はある。
 
◉良くない身体の使い方をしていると柔軟性が高いことでロスが大きくなる可能性はある。

◉柔軟性云々の前に身体の使い方が大事

◉肩甲骨、股関節周りの柔軟性は多くの方が共通して高めたい部分である


こういった内容をお伝えさせて頂きました。

柔軟性については見る角度によって様々な捉え方ができますが、目的意識を明確にしたうえでご自身に必要な柔軟性を高めることはプラスになると思いますので、ぜひ今回の内容も参考にして頂ければと思います。

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この記事を書いた人

宇都宮 裕のアバター 宇都宮 裕 初動負荷トレーニング®トレーナー

小学生からバスケットボールに取り組んできたが「センス、能力のないやつはもっと努力しろ!」と言われ、基礎練習やウエイトトレーニングを人一倍頑張ってきた結果、左手でドリブルがつけなくなる 3ポイントシュートが届かなくなる故障が増える等の事態に直面。従来のトレーニング方法、練習方法に疑問をもち、模索する中で初動負荷トレーニングにたどり着く。愛知県小牧市、名古屋市に初動負荷トレーニングジムを展開するワールドウィング雲水グループ創業メンバーの一人。

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