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【スピード、パワー、持久力】努力の方向性を考える

今回はスピード、パワー、持久力アップに共通する考え方、というテーマについて解説させて頂きます。

✅スピード、パワー、持久力を高めたいけど
 何から手を付けていいかわからない…

✅それぞれを高めるために
 トレーニングでは何に気を付けるといいか…

こんなご相談をよく頂きます。

確かにスピードやパワー、持久力について、様々な情報が出回っている中なので、どれを選択するといいのか、自分にはどれが合っているのか等、迷ってしまう部分があるかもしれません。

ただ、スピード、パワー、持久力についての根本的な考え方を把握しておくことで、ご自身の目的に合った情報を選択しやすくなり、効果的な取り組みができる確度を高くすることはできると思います。

そこで今回は、スピード、パワー、持久力アップに共通する考え方というテーマについて解説させて頂きます。

この動画をご覧頂くと、、、


🔴スピード、パワー、持久力を高めるにあたって誤解されやすいポイント

🔴それぞれにおいて第一に考えるべきことは何か


等ということについてもわかるようになっていますので、ぜひ最後までご覧ください。

■動画で解説はこちら

スピード、パワーについて第一に考えるべきこと

まず初めにスピード、パワーについての考え方について解説させて頂きます。

一般的にスピードやパワーを高めるにあたって、まず頭に浮かぶのが「筋力」という要素です。

腕立て伏せをする女性

速く歩くにしても、走るにしても、遠くまでボールを飛ばすにしても、大きな力が発揮されていますので、大きな力を発揮できる大きな筋肉が必要になる、というのはイメージしやすい部分だと思います。

ただ、これをスピード、パワーの第一義的要素として捉えて取り組んでしまうと、かえってマイナスになってしまう可能性があります。

なぜなら、筋肉が大きな力を発揮していても、スピードやパワーにつながらないケースがあるからです。

力こぶの筋肉を隆起させる男性

身体には400個以上の筋肉が備わっていて、それぞれ同じ方向に働くものもあれば、反対の働きをするものもあります。

例えば、ヒジを曲げる上腕二頭筋という筋肉に対して、ヒジを伸ばす上腕三頭筋という筋肉がありますが、このヒジを曲げる筋肉が「100」の力を出している時に、ヒジを伸ばす筋肉も50の力を出してしまっているとどうでしょう。

無駄な力が入っている時の筋肉のイラスト

筋肉はトータルで「150」もの力を出しているにもかかわらず、実際に出ている力は「50」だけ、という状態になってしまい、これではスピードやパワーにつながりません。

いわゆる力んだ状態で動いている時は、このような状態になってしまっています。

歯を食いしばって力を込める男性

また筋肉がつく場所によっても、スピードやパワーのロスになってしまうことがあります。

具体的には、ヒジから先、ヒザから先の部分など、腕や脚の先端部分の筋肉が不必要に大きく、太くなってしまうと、手首や足首等に重りを付けて動いているのと同じような状態になりますので、スムーズに腕や脚を動かすことができず、このことも、スピードやパワーのロスになる要素になります。

実際、全身に大きな筋肉を身につけているボディービルダーが、必ずしも速く走れたり、速いボールを投げられたりしない、ということも、これらの要素が関わっている部分があります。

こういう視点で考えると、スピードやパワーを高めるのに筋肉は大事な要素ではあるのですが、筋肉を鍛える取り組みが、

○力んだ状態で動く形態
○実際の動作からかけ離れたような鍛え方

等という場合は、実際に動く時に無駄な力が入りやすくなったり、不要についた筋肉が重りになったりしてスピードやパワーを失ってしまう可能性があることが示唆されます。

ですので、私たちとしては、まず筋肉というよりも「動作、身体の使い方によってパワーやスピードが生まれている」という視点をもって、そこにつながるようなトレーニング等を行っていく中で、必要な筋肉がついてくるというような取り組みをおススメしています。

持久力について第一に考えるべきこと

次に持久力の考え方について解説させて頂きます。

一般的に持久力に関わる要素としては、筋肉が疲労に耐えて運動を継続する力である筋持久力全身に酸素を送り届ける心肺機能等があります。

筋持久力を高めるには特定の筋肉を動かし続ける反復運動、心肺機能を高めるには、ランニングなどの有酸素運動がそれぞれ効果的と言われています。

ロープを使ったトレーニングをする男性とトレッドミルを走る男女

確かに、これらは持久力につながる大事な要素ではあるのですが、これらの前に考えるべきポイントがあります。

それは持久力を必要としている場面で、どんな動作をしているか、ということです。

例えば「ランニング」という中で、持久力を高めたいと考えている場合、どれだけ筋持久力を高めるトレーニングをしたり、どれだけ長時間走り込んだとしても、すぐに脚が疲れてしまうようなランニングフォームになっていると、やっぱりすぐに疲れてしまうので、持久力が高まった状態にはなりづらい部分があります。

実際に、こんなエピソードがあります。

日本の実業団に所属していた、あるケニア出身のランナーがいました。

彼が高校時代、初めて日本に留学してきた時に大きなカルチャーショックを受けたそうです。

疲れた表情の黒人の少年

それは何かというと、高校に入学した直後の練習でチームメイトの日本人の走りを見て、これはとてもついていけない、と感じたということ。

彼にとって日本人の走り方は、わざと腰を落として走っているように見えたようで、足腰を鍛えるために、わざと腰を落として負荷をかけたフォームで練習しているんだ、と勘違いして、マネをしようと取り組みました。

ただ、腰を落として走るとすぐに脚がパンパンに張ってしまって、全然ついていけなかった、と落ち込んでいたようです。

しかしある時、これはわざと腰を落として走っているんじゃなくて、こういう走り方しかできないんだと気づき、本来の自分のフォームに戻して走ると、もう誰にも負けないようになったそうです。

颯爽と走る男性

実際、このエピソードにもあるように、走り方が良くないと早い段階で脚がパンパンに張ってしまって心肺機能を鍛える、という前にバテてしまうので、ランニング等で心肺機能を高めることも難しくなります。

ですので、私たちとしては、持久力を高めるという点においても、身体の使い方、動作という部分が大事で、その良い身体の使い方につながるトレーニングであれば、結果的には持久力アップにつながるという風に考えています。

実際の動作に繋がっているか確認する方法

続いて、今取り組まれているトレーニング等が、実際の良い動作、身体の使い方に繋がっているか、確認する方法について解説させて頂きます。

理屈は分かったけど、今の取り組みが良いのかどうかというのは、気になる部分かもしれません。

実際、細かい部分まで含めると、専門的な目が必要になると思いますが、大枠であれば確認できる方法があります。

それは、そのトレーニング等をした後に、実際に求めている動作を行ってみて、その動作が行いやすくなっているかどうか、ということです。

陸上競技場で走る練習をする男性

シンプルに動作のために、行っているトレーニングなのであれば、そのトレーニングやエクササイズを行った後に、求めている動作のバランスや動き方が良くなっていないと、何のために行っているかわからなくなります。

ですので、大枠ではこの辺りをチェックポイントにして頂くと良いと思います。

もし求めている動作が行いやすくなっているにもかかわらず、スピードやパワー、持久力がなかなか高まってこない、ということであれば、実際の動作のポイント自体がズレている可能性がありますので、こちらを見直す必要があるかもしれません。

良い動作、身体の使い方に共通するポイント

それでは最後に、良い動作、身体の使い方に共通するポイントについてお伝えさせて頂きます。

良い動作というのは、具体的にどういう動きなのか、ということですが、実際、それぞれのスポーツの種類や動きの形態は様々ですので、一概には言えない部分があります。

ただ、いくつか大枠で共通するポイントがあるので、それについてお伝えさせて頂こうと思います。

肩甲骨のイラスト

まず一つ大事なポイントは、身体の中心側から動く、ということです。

上半身で言うと肩甲骨周辺、下半身で言うと骨盤、股関節周辺から動けることで、肩甲骨、肩、ヒジ、手首からその先にあるボールやバット、ラケット等へ、股関節、ひざ、足首からその先にある地面へと、スムーズに力が伝わって、スピード、パワーの発揮に役立ちます。

テニスのサービス、走る動きでの理想的な力の流れ

また、こういった動きの中では、肩甲骨、股関節周りの大きな筋肉を活用できるので、持久力という部分にも大きなメリットがあります。

そして、このように肩甲骨、股関節から動くためには、ひじや手首、ひざや足首まわり等、身体の先端部分ができるだけリラックスしている必要があります。

なぜかというと、ひじや手首、ひざ、足首周りが先行して動こうとすると、肩甲骨、股関節周りが緊張して動きづらくなる傾向があるからです。

これは字を書く時等をイメージして頂くと、わかりやすいと思いますが、字を書く時に肩甲骨が大きく動いてしまうと手先の動きが定まらず、書きづらくなってしまうので、無意識に肩甲骨周りを固定させて手先だけが効率よく動くようにしている、ということがあります。

これと同じようなイメージで、身体の先端部分が先立って動いてしまうと、反射的に中心側の肩甲骨や股関節周りは動かなくなってしまって、肩甲骨、股関節を中心とした動きが表現しづらくなります。

また身体の先端部分がリラックスして動けると、腕や脚がムチのようにしなって加速する動作になりやすいので、この点でもスピードやパワーにつながりやすい部分があります。

骨盤のイラスト

あとは骨盤の位置も良い動作をしていくうえでは、大切な要素になります。

持久力の考え方のセクションでお伝えしたケニア人ランナーのエピソードとも関連していますが、日本人は骨盤が後ろに倒れるような後傾気味のバランスにあると言われています。

骨盤が後傾すると、腰の位置が下がるので、ひざが曲がったまま動くような状態になりやすくなります。

この状態で動くと歩いているだけでも前ももが疲れてきたり、ストライドも大きく取れないので、同じ距離を走るのにも余分に力が必要になり、スピードも出なくなります。

一方、アフリカ系のランナーは骨盤が前に傾いた骨格で、腰の位置が高く、骨盤が前にある状態になっています。

この状態だと腰の位置が高いので、自然にひざが伸びやすくなって筋肉の余分なストレスなく、動くことができたり、ストライドも自然に広がって自然にスピードも出やすくなります。

こういった骨盤の角度や位置によって、大きな違いが生まれるので、日本人は骨盤後傾気味のバランスを解消していくことが1つ大事なテーマになるのですが、お尻を後ろに吊り上げるようにしてこのバランスを解消しようとするのは、あまり効果的ではありません。

なぜかというと、腰が後ろに引けてしまって、かえって前に進みづらくなるからです。

あくまでも、骨盤が前方の高い位置にある中で、バランスを整えていく必要があるのですが、このポイントについてはこちらの動画で解説していますので、こちらも参考に見て頂ければと思います。

今回のまとめ

それでは今回のまとめです。

今回は、スピード、パワー、持久力アップに共通する考え方、というテーマについて解説させて頂きました。


🌟スピード、パワーは筋肉の前に 良い動き方によって高まるという視点を持つことが大事

🌟持久力も動作が与える影響は大きいので 良い動作に繋がる取り組みをするのが大事

🌟良い動作に共通するポイントは 身体の中心から動く、骨盤が立ち上がった状態で動く等がある


こういった内容をお伝えさせて頂きました。

スピード、パワー、持久力は、スポーツに限らず、日常生活においても大事なテーマですが、それぞれについての根本的な考え方を正しく理解することで、目的に合った良い取り組みができることにつながると思いますので、ぜひ今回の内容も参考にして頂ければと思います。

それでは今回はここまでとなります。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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■この記事を書いた人

小学生からバスケットボールに取り組んできたが「センス、能力のないやつはもっと努力しろ!」と言われ、基礎練習やウエイトトレーニングを人一倍頑張ってきた結果、左手でドリブルがつけなくなる 3ポイントシュートが届かなくなる故障が増える等の事態に直面。従来のトレーニング方法、練習方法に疑問をもち、模索する中で初動負荷トレーニングにたどり着く。愛知県小牧市、名古屋市に初動負荷トレーニングジムを展開するワールドウィング雲水グループ創業メンバーの一人。

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