今回は、肩甲骨の動きから考える背中で手を組むコツ、というテーマについて解説させて頂きます。
✅最近肩が硬くなって背中で手を組めなくなってきた…
✅片方は手が組めるけど 反対側だけどうしても手がつかない…
こんなご相談をよく頂きます。
確かに、肩の柔軟性を確認する時に、この背中で手を組めるかどうか、という形はよく使われます。
実際、背中で手が組めないという状態で、改善に向けて試行錯誤されている方もいると思いますが、肩の動きの中心である肩甲骨の動きを無視して、闇雲に取り組んでしまうと、一生懸命取り組むものの、なかなか成果が上がらない、という状態になりかねません。
そこで今回は、「肩甲骨の動きから考える背中で手を組むコツ」というテーマについて解説させて頂きます。
この記事をご覧頂くと、、、
🔴背中で手を組むために必要な肩甲骨の動き
🔴具体的にどのような動きを行っていく必要があるか
等ということについても分かるようになっていますので、ぜひ最後までご覧ください。
背中で手を組むために肩甲骨が大事な理由
まず初めに背中で手を組むために、肩甲骨の動きが大事な理由について解説させて頂きます。
基本的に、肩の関節は背中にある肩甲骨と腕の骨である上腕骨で成り立っていますので、肩を動かす時に腕の骨が動くだけでも、ある程度動くことはできます。
ただ、1つの関節だけで動ける範囲には限界があるので、腕だけを動かして動く範囲を大きくしようとすると、なかなか動きが大きくならないばかりか、肩には負担がかかりやすくなります。
そこで大事になってくるのが、肩の関節を構成するもう一つの要素である「肩甲骨を動かす」ということです。
肩甲骨自体が肩、腕を動かしたい方向に、ある程度動いてくれれば、無理に腕だけを動かさなくても肩を大きく動かすことが可能になります。
具体的に背中で手を組むために、肩甲骨をどのように動かす必要があるか、ということについては次のセクションから見ていきたいと思います。
背中で手を組む時の肩甲骨の動き(上側の腕)
それでは、具体的な肩甲骨の動きについて解説していきたいと思います。
まず背中で手を組む際に、腕が上になる側の肩甲骨の動きですが、主に2つの動きが組み合わさって肩の動きを助けています。
1つは、肩甲骨の下側が上に向かって回転する動き、もう1つは肩甲骨の上側が後ろに剥がれるような動きです。
1つ目の肩甲骨の下側が上に向かって回転する動きは、腕を上に上げる動きを助ける動きで肩甲骨と背骨の間にある筋肉の柔軟性が関わっています。
この部分の柔軟性を引き出す一つの方法としては、腕を身体の外側に向かって上げていくような動きがあります。
この動きはシンプルなので、比較的取り組みやすい部分はあると思いますが、1つ気を付けて頂きたいのが肩が上に挙がってしまう状態です。
肩が上に挙がってしまうと、この肩甲骨の下側が回転する動きを十分引き出せないので、肩が挙がらない中で、腕が身体の外側に上がる動きが必要になります。
どうしても、肩が挙がってしまうような場合は、上に挙がった時に手の平が内側を向くような状態をつくると、比較的、肩は挙がりづらくなるので、ご確認頂ければと思います。
また、もう一つの肩甲骨の上側が後ろに剥がれる動きについてですが、これは上に挙がった腕を後ろに倒す時に必要な肩甲骨の動きで、主に肩甲骨の上側にある筋肉の柔軟性が関わっています。
この部分の柔軟性を引き出すためには、このような角度で腕が後ろにある状態から肩を下げる動きがポイントになります。
どうしても肩が下がりづらい場合は、先程のように手の平の向きを正面に近づけたり、腕が後ろにある状態を少し前に緩めて行って頂くと、比較的、肩は下がりやすくなる傾向がありますので、ご確認頂ければと思います。
背中で手を組む時の肩甲骨の動き(下側の腕)
続いて、背中で手を組む際に腕が下になる側の肩甲骨の動きですが、これには主に肩甲骨の下側が後ろに剥がれるような動きが関わっています。
筋肉でいうと主に身体の側面で、肩甲骨と肋骨をつなぐ筋肉(前鋸筋)の柔軟性が必要になりますが、この部分の柔軟性を引き出す一つの方法としては、腕を身体の後ろ側に持ってくる動きがあります。
この動きもシンプルなので、比較的取り組みやすい部分はあるのですが、1つ気を付けたいのが「肩が前に出ない」ということです。
この腕を後ろに持ってくる動きで、肩が前に出てしまうと肩甲骨の下側が後ろに剥がれるような動きが十分引き出されないで、肩の関節だけの動きが強調されてしまって、肩の関節自体にも負担がかかりやすくなります。
どうしても肩が前に出てしまう場合は、腕が動く方向を真後ろではなく、ななめ後方にすると比較的、肩は前に出づらくなるので、ご確認頂ければと思います。
左右で差がある場合に気を付けること
それでは、最後に左右で差がある場合に気を付けるポイントについてお伝えします。
どちらか片方は背中で手が組めるけどもう片方は全然届かない…、そんなケースもあると思います。
そのような時にまず確認したいのが、上側の腕、下側の腕でどちらの動きがやりづらいのか、ということです。
上側の手が下に降りてきていないのか、それとも下側の手が上にきていないのか、これを確認することで今、重視するべき取り組みが明確になります。
もし、上の手が降りてきていないなら、先程の肩を下げる動きを中心とした取り組みが必要ですし、下の手が上に挙がってこない状態なら、肩が前に出ないで腕を後ろに持ってくる取り組みが必要になります。
この時、一つ気を付けて頂きたいのが、硬い側は大きく動かすと緊張しやすいということです。
無理に大きく動かそうとすることで、先程、良くない例としてお伝えした肩が挙がってしまったり、
前に出てしまったり、ということが力みと共に起こりやすくなります。
改善に向けての取り組みは、左右で必ず同じ位置まで動かさないといけない、ということはありません。
硬い側は硬い状態に合わせて、リラックスした良い動きが表現できるように動く範囲などを調整して取り組むことが大切になりますので、ご確認頂ければと思います。
今回のまとめ
それでは今回のまとめです。
今回は、肩甲骨の動きから考える背中で手を組むコツ、
というテーマについて解説させて頂きました。
🌟肩を大きく動かすには その動きに関わる肩甲骨の動きを引き出すのが大事
🌟腕が上になる側の肩の動きには 肩甲骨の上側が後ろに剥がれる動きが大事
🌟腕が下になる側の肩の動きには 肩甲骨の下側が後ろに剥がれる動きが大事
こういった内容をお伝えさせて頂きました。
背中で手を組むということについては、あくまで柔軟性の一つの目安ですので、必ずしもこれができることにこだわりすぎる必要はありません。
ただ、ご自身の取り組みの成果をチェックする、という点についてはわかりやすい指標になると思いますので、ぜひ今回の内容も参考に取り組んで頂ければと思います。
それでは今回はここまでとなります。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
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