今回は捻り動作についての解説です。
トレーニングでもスポーツ動作でも、捻り動作を行うシーンはたくさんあると思います。
例えば、トレーニングで言うと、腕を捻りながら肩を開くような動きがあったり、スポーツの中で言えば、ボールを投げたり、水泳のクロールのような動きの中でも捻り動作が入っています。
ただ、なぜこのように捻る動きを行う必要があるか、ということをご存じですか?
言われるままにやってしまうことが多いですが、その意味を知ったうえで取り組むのと知らないまま取り組むのとでは、実際の動きも成果も変わってくると思います。
そこで今回は、肩の可動域を広げるために「捻り動作」が大事な3つの理由を解説させて頂きます。
■動画で解説はこちら
【理由①】身体をまんべんなく使える
まず1つは、捻り動作を行うことで、身体をまんべんなく使える、ということです。
どうしても曲げて伸ばしてという動作では、特定の筋肉だけが頑張りやすくて、緊張が強くて疲れやすい動きになりがちです。
特定の筋肉が頑張ることで、力んだ状態になりやすくなりますが、一部の筋肉が力んでしまうと、それに伴って周りの筋肉も強く緊張して力んでしまいますので、肩周りの筋肉も硬くなりやすくなります。
捻り動作が入ることで、捻りに関わる筋肉が動かされたり、同じ腕を伸ばす筋肉の中でも外側、内側と順番に動くので、よりリラックスして動きやすくなります。
これにより、肩周りの筋肉も柔軟性が高まりやすくなり、可動域を広げるのに役立ちます。
【理由②】力こぶの筋肉の力が抜ける
ちょっとこんな確認をしてみてください。
身体の前にひじを曲げた状態で腕を持ってきて頂いて、反対の手で力こぶの筋肉を触ってみます。
この時の筋肉の硬さを覚えて頂いたうえで、ここから手の平を前に向けるように捻ってみてください。
(上記画像参照)
いかがですか?
先程よりも、力こぶの筋肉が柔らかくなっていることが確認できると思います。
動きの中で腕が頑張ってしまうと、肩甲骨周り等の身体の中心部分が十分動かないので、可動域が小さい動きになりがちですが、この手の平が外側を向くような捻りが入ることで腕の筋肉がリラックスするので、肩甲骨からの可動域の大きな動きが可能になります。
【理由③】筋肉がより伸ばされる
想像してみてください。
輪ゴムをまっすぐ伸ばすのと捻って伸ばすのとではどちらが強く伸ばされるでしょうか?
捻った方ですよね。
真っすぐ伸ばすよりも捻って伸ばすことで、輪ゴムの両端の距離は変わらなくても、より伸ばされた状態ができます。
これは単純に筋肉がより伸ばされた状態ができるので、関節の可動域を広げるだけでなく、伸ばされた状態から戻る力も強くなるので、実際の動作でのパワー発揮にも役立ちます。
■捻り動作で注意したい点
このように様々なメリットがある捻り動作ですが、注意したい点が一つあります。
それは、この捻り動作を手首や肘から先の前腕部分で行わない、ということです。
手先で捻ってしまうと、捻ることに腕、特に前腕部分の筋肉が強く使われ、腕の筋肉を硬くしてしまったり、疲労がたまるような状態になってしまいます。
手先ではなく、身体の中心部分(鎖骨や肩甲骨)から捻る動きを行う意識を持つことで、腕がリラックスして柔らかくしなやかな動きになり、肩の可動域も広がりやすくなります。
■今回のまとめ
いかがだったでしょうか。
今回は、「肩の可動域を広げるために捻り動作が大事な3つの理由」について解説させて頂きました。
ただ漠然と捻るのではなく、その目的と意味合いを正しく理解して取り組むことで、成果が出やすいだけでなく、様々な競技動作や日常動作、トレーニング動作にも応用できるようになると思いますので、ぜひ参考にして頂ければと思います。
それでは今回はここまでとなります。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
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