今回は、握力トレーニングについて解説させて頂きます。

運動不足解消のために ハンドグリップで握力を鍛えている



ボールやバットをしっかり持つために握力を鍛えるよう言われる
こんな方もいるかもしれません。
確かに、握力は体力を測る一つの指標として使われていたり、ラケットやバット、ボールなど道具を扱うスポーツでも重要視される場面はあります。
ただホームランバッターや剛速球を投げるピッチャーでも握力はあまり強くないというケースもあり、握力を鍛えるのが、必ずしもパワーにつながらないという見方もできます。
そこで今回の記事では、、、
●握力トレーニングで握力以外にどのような影響があるか?
●身体全体を効率よく使うための握力の考え方
等ということがわかるようになっていますので、ご興味ありましたら、ぜひ最後まで見ていってください。
なぜ多くの人が握力を鍛えるのか?


まず初めに、なぜ多くの人が握力を鍛えるのかという話をさせて頂きます。
よく言われるのが「握力は全身の筋力の写し鏡」という考え方です。
一般的に、全身の筋力は40代を境に低下する傾向があると言われていますが、これに比例して握力も低下する傾向があるようです。
このことから握力が低下すると、全身の筋力も低下していることが予想され、ご高齢の方にも積極的に鍛えることが推奨されています。
またスポーツの場面では、ラケットやバットを持って行う競技もあるので、握力が必要になるという観点から握力強化の必要性を言われることもあります。


確かに、こういった事実はあるのですが、スポーツの場面では「握力を鍛えることで全体のパフォーマンスも向上するか?」という視点が大事になります。
実は握力を鍛えるトレーニングには、スポーツにおいて以下のような影響もあるので、これらを踏まえたうえで導入するか否か、検討する必要があります。
①肩甲骨、鎖骨周りの動きが制限されやすい


強く握るという動作は、手だけでなく肩や首まわりにも力が入りやすくなります。
試しにぎゅっと手を握ってみてください。肩や首にも力が入っていませんか?
これは無意識に身体を固めて動きを安定させようとする反応で、継続的に行うと肩甲骨や鎖骨まわりの動きが制限されてしまうことがあります。
結果として「動作のしなやかさ」が失われやすくなり、スポーツだけでなく日常動作にも影響が出てくることがあります。
また握力を鍛えるトレーニングを繰り返す中で「強く握る」ということが、癖になってしまうと、何気ない動きの中でも必要以上に強く握ってスムーズな動きが行いづらくなることが懸念されます。
②-力こぶの筋肉が過剰に緊張しやすい


「握る動作」と連動して、上腕二頭筋(いわゆる力こぶ)も強く使われます。
この筋肉は「ヒジを曲げる」「肩を外に回す」といった働きもあるため、ここが硬くなると身体の使い方に偏りが出ることがあります。
たとえば、ボールを投げたり、水泳のクロールのような動きも肩を内側に捻りながら腕を伸ばす動きになりますが、力こぶの筋肉が硬くなると、こういった動きが行いづらくなる可能性もあります。
③-前腕が太くなる


握力トレーニングでは、前腕(肘から手首の間)の筋肉が発達しやすくなります。
前腕が不自然に太くなるということは、手首に重りを巻いて走ったり、鉄アレイをもってウォーキングしたり、という状態と同じような状況になりますので、しなやかに身体を動かすことに不利な状態になってしまいます。
もちろん見た目や競技特性で必要な場合もありますが、「身体全体を効率よく使いたい」と考える場合は、前腕ばかりに負荷を集中させない工夫が必要です。
身体全体を効率よく使うために大切にしたい視点


ここまで握力トレーニングの握力以外への影響についてお伝えしましたが、「身体全体を効率よく使いたい」という場合、どのような方向性を持って取り組むといいでしょうか。
まずは、いかに強く握らないで身体を動けるかということにフォーカスするのが大事だと思います。
たとえば、道具を持つスポーツでも、ガチガチに力を入れて握るのではなく、必要最小限の力で持ってコントロールできる方がスムーズに動ける部分はあると思います。
また握力、前腕の筋肉量は、その競技動作の中で養われる部分もありますので、必要以上に握力強化に取り組まなくても良いかもしれません。
また 例えばボールを指先で持つのか、指の腹全体で持つのか、手首はどのような角度か等、道具の持ち方の良し悪しによっても握力の必要性は変わってくると思います。
いずれにしてもいかに握力に頼らず動けるか、という視点を持って取り組むことが、身体全体を効率よく使うには大事になると思います。
今回のまとめ
それでは今回のまとめです。
今回は、握力トレーニングについて解説させて頂きました。
●握力を鍛える過程で肩甲骨、鎖骨周りの動きが制限されやすい
●力こぶの筋肉も緊張する傾向
●前腕部分が太くなると重りになって動きづらい
●握力に頼らず動ける工夫が必要
こういった内容をお伝えさせて頂きました。
握力は簡単に測定できるため、体力のバロメーターとして身近な存在ですが、「強く握る=身体をうまく使える」というわけではない、という視点を持って頂いたうえで、ご自身の状況に合わせて必要性を検討頂ければと思います。
それでは今回はここまでとなります。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
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