今回は、骨盤を立てるより大事な骨盤の位置、というテーマについて解説させて頂きます。
姿勢づくりや腰痛予防のために骨盤を立てることを意識しているけど、意識しないとすぐに戻ってしまうので、なかなか持続できない…
実際、骨盤を立てる意識を持つと、腰や背中、脚の筋肉が緊張して全身が固まったように感じたり、腰に負担を感じることがある
そんなご相談を頂くことがあります。
確かに、骨盤の立ち上がった状態ができると、姿勢が安定して腰への負担が少なくなったり、トレーニングでも骨盤周りの大きな筋肉が使われやすくなる等、様々なメリットがあります。
ただ、実際、骨盤を立てるという意識の仕方が良くなかったり、その他のバランスが良くないと無理に骨盤のバランスを保とうとして、一部の筋肉に強く負担をかけてしまうというケースも出てくる可能性があります。
そこで今回は、姿勢、歩き方、トレーニング動作改善に繋がる骨盤の位置というテーマについて解説させて頂きます。
この記事をご覧頂くと、、、
🔴骨盤を立てる意識を持っている方がよく陥りがちな傾向
🔴具体的に骨盤の位置をどのように考えるといいか
ということについても分かるようになっていますので、ぜひ最後までご覧ください。
骨盤を立てる意識を持つ方がよく陥りがちな傾向
それではまず初めに、骨盤を立てる意識を持たれている方がよく陥りがちな傾向について解説させて頂きます。
骨盤を立てるというと、いわゆる猫背の方によく見られる骨盤が後ろに倒れた「骨盤後傾」というバランスにならないように、お尻を上に吊り上げるようなバランスを意識されているケースが多いように思います。
確かに、過度に骨盤が後傾してしまっているような場合は、ある程度、こういう意識を持った方がいいケースもあるかもしれませんが、多くの場合、このような意識の持ち方は、かえって姿勢のアンバランスや腰痛の原因になったりします。
なぜかというと、骨盤だけを前に傾けるという動きは、背中の筋肉の骨盤についている部分を使って骨盤を上に吊り上げたり、股関節の前側の筋肉を使って、骨盤や背骨を前に倒すことになりますので、これらの筋肉の強い緊張とともに、いわゆる腰が引けた反り腰のようなバランスになりやすい傾向があるからです。
またこの状態は、どこかの筋肉に常に力が入っていることになりますので、身体はスムーズに動きづらくなる、という動作の面でもデメリットになります。
ですので、いわゆる「骨盤を立てる」という姿勢を取る時には別の部分を意識した方がいいのですが、どのような部分を意識するといいか、次のセクションからお伝えしたいと思います。
かかと体重にならずに骨盤の位置を高くするのが大事
では、骨盤を立てる姿勢を良い形で取るために、どのような部分を意識するといいか、ということですが、まず大事なのは、かかと体重にならない、ということです。
かかと体重になると、それだけで骨盤は後傾方向に持って行かれやすくなりますので、いわゆる骨盤を立てる姿勢が取りづらくなります。
この状態から無理に骨盤を立てようとしますと、先程お伝えしましたように、この動きに関わる筋肉が強く緊張してしまいますし、最初のボタンを掛け違えると、最後、どうやっても合わなくなるように、どのポイントを意識したとしてもどこかに不具合が出るので、良い姿勢や不調の予防に繋がらなくなってしまいます。
そこで体重はかかと側ではなく、前側にあるといい、ということなのですが、つま先立ちのようなイメージを持たれるのはあまり良くありません。
シンプルにふくらはぎが疲れますし、ふくらはぎが疲れないようにかかとを付けたとしても、バランス的にはかかと体重の時と同じような状況になってしまいます。
ではどうするといいか、ということですが、ポイントは身体全体がやや前傾するような状態をつくることで体重がやや前側来る状態をつくる、ということです。
身体全体がやや前に傾斜してかかとに体重が乗っている感じがなく、土踏まずの外側から薬指の付け根あたりに体重が感じられるとバランス的には良いと思います。
特に私たち日本人を含めた東洋人は骨格的にかかとに乗りやすい傾向がありますので、この体重の位置、ということを特に気を付けて頂くのが、まずは大事になると思います。
そのうえで、もう一つ大切なのが骨盤の位置です。
骨盤が後ろに倒れるような後傾状態も、骨盤だけを無理に前に倒そうとして起こる反り腰のようなバランスも相対的に骨盤の位置は下がっていますので、骨盤の位置を高い位置に置くようなイメージを持って頂くことも大事なポイントになります。
骨盤の位置を高くするというバランスがイメージしづらい方は、先程の身体全体がやや前に傾斜したバランスから両腕を上に上げた状態をつくって頂くと比較的イメージがわきやすくなると思います。
両腕を上げることで、肩の動きに骨盤が引き上げられて自然と骨盤が高い位置に置きやすくなると思いますので、ご確認頂ければと思います。
初動負荷トレーニングの中での動作の比較
それでは参考までに初動負荷トレーニングの中で、こういったバランスを意識した取り組みの一例をご紹介したいと思います。
トレーニング動作の中でも、今回ご紹介したような骨盤の位置が変わると、骨盤周りの筋肉の伸びを感じやすくなったり、その後の姿勢や動きが安定しやすくなる傾向があります。
↑↑↑かかと体重でよく起こるバランス変化の2例-骨盤が後ろに引けたバランス(左)と、後ろにのけ反るようなバランス(右)
↑↑↑身体全体が前傾して骨盤が自然に立った状態での動作バランス
今回のまとめ
それでは今回のまとめです。
今回は、姿勢、歩き方、トレーニング動作改善に繋がる骨盤の位置という内容について解説させて頂きました。
◉骨盤だけを立てようとすると、腰や骨盤周りの筋肉の強い緊張や姿勢不良を招きやすい
◉かかとに体重が乗ったバランスは、いわゆる骨盤を立てるという姿勢がつくりづらい
◉身体全体が、やや前傾する姿勢で骨盤の位置を高くする意識が大事
こういった内容をお伝えさせて頂きました。
骨盤を立てるという状態を良い形でできると、腰などに負担をかけない姿勢づくりに繋がりますが、適切でない形でバランスを取ろうとしてしまうと、かえって負担をかけてしまうことにも繋がりますので、ぜひ今回の内容も参考にして頂ければと思います。
また今回の内容は、こちらの動画でも解説していますので、ご興味ある方はぜひこちらも参考に見て頂ければと思います。
それでは今回はここまでとなります。
最後までお読み頂きまして、ありがとうございました。
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