今回は、初動負荷トレーニングで重量はどのように調整していくといいか、という内容について解説させて頂きます。
トレーニングにだいぶ慣れてきたけど
✅重量は少しずつ上げていった方がいいか
時々、重めの重量でやっている人もいるけど、
✅重量を増やすタイミングと量はどれくらいがいいか
こんなご相談をよく頂きます。
確かに、一般的なトレーニングでは、扱う重量を増やしていくことで成果が上がっていく、というものが多いので、重量があまり変わらないことに対してご不安に感じる方が多いのかもしれません。
ただ、闇雲に重量を増やしてしまうと、かえってトレーニング効果を得られなかったり、身体を痛めてしまう原因にもなってしまいます。
そこで今回は「初動負荷トレーニングで重量はどのように調整していくといいか」という内容について解説させて頂きます。
この記事をご覧頂くと、
◎初動負荷トレーニングでのマシンの重りの役割
◎どのような時に重りを増やすべきか
等ということについて、わかるようになっていますので、ぜひ最後までご覧ください。
■動画で解説はこちら
初動負荷トレーニングの中での重りの役割は?
まず初めに、初動負荷トレーニングの中での重りの役割について解説させて頂きます。
筋肉を大きくすることを目的とした一般的なトレーニングの中では「扱う重量が重くなる=筋肉が強くなっている」というわかりやすい図式がありますので、どれだけ重い重量を扱えるかということがトレーニング成果の指標になったり、モチベーションになったりしています。
では初動負荷トレーニングの中ではどうか?
初動負荷トレーニングの目的は、柔軟性を高めたり、スムーズに身体が動く状態を高めていくことで身体の不調を改善したり、スポーツのパフォーマンスを高めたり、というところになりますので、少しでも重い重量を扱えるようにしていくという必要はありません。
最も大事なのは、いかに余分な緊張なく関節を大きくスムーズに動かせるか、ということです。
そのためには「筋肉のバネの力」をうまく活用する必要があります。
筋肉にはバネやゴムのように伸ばされると、元の長さに戻ろうとする性質があります。
初動負荷トレーニングのマシン動作では、メインで使われる筋肉が十分伸ばされることでこのバネの力がうまく働き、力みのないスムーズな動きが表現できます。
この時の重りの役割としては、この筋肉を引き伸ばしてバネの力を引き出すことにあります。
ですので、重りが軽すぎても、このバネの力を十分引き出せませんし、逆に重すぎると伸ばされた状態からスムーズに戻ってきません。
感覚的には、最もスムーズに大きく動作を繰り返せるのはどのくらいの重量か、というところが適切な重量を決めるポイントになると思います。
重量調整の前に考えるべきこと
次に、重りを調整する前に考えるべきことについてお伝えいたします。
適切な重量に調整しようという時にある部分がうまくいっていないと、この重量調整があまり意味をなさない、ということがあります。
それは動作の部分です。
なぜ動作の部分が大事かというと、重量を重くしたとしても筋肉がうまく伸ばされる姿勢や身体バランスが取れていないと、その重りは筋肉を伸ばすことに使われないので、この重量が適切かどうか、という判断がつきづらくなるからです。
具体的には、身体の中心部分にある大きな筋肉をうまく伸ばせるかどうか、ということがポイントになります。
大きな筋肉が伸ばされることで、バネの力も大きくなるので、自然に大きな力が発揮されてそれ以外の部分が不必要に頑張らなくてもよくなるからです。
実際のマシン動作の中での一例をお伝えします。
左側の動きでは、腰が下に下がる骨盤後傾という状態になっています。
この状態では本来メインで動かしたいお尻や裏もも、内もも等の筋肉が十分伸ばされませんので、重量を重くしても、あまり効果的ではありません。
一方、右側の動作では、脚が曲がってくる時も骨盤が立ち上がった状態が保たれて、お尻や裏もも等が伸ばされやすい状態になっています。
この状態で負荷がかかると、これらの筋肉のバネの力が引き出されるので力みのないスムーズな動きが表現しやすくなります。
これはあくまで一例ですが、重量を調整するという前にこういった動作の部分を良い形でできるようにする、ということが成果を上げるうえでは大切になります。
重量調整の第一歩は下半身の種目がおススメ
最後に重量調整をするなら、まず下半身をメインで動かす種目がいい、という話をさせて頂きます。
ある程度、マシンの動きも良い形でできるようになってきた、これからマシンの重量を最適化していこうという時に、まず取り組みやすいのが下半身をメインで動かす種目です。
なぜ下半身かというと、重くすることのデメリットの一つである筋肉の過緊張、力み等が起こりづらい、ということがあるからです。
下半身の筋肉の中でも、身体の中心側にあるお尻や裏もも、内ももの筋肉などはボリューム的にも大きな筋肉になっています。
大きな筋肉なのでバネの力も強く、多少重量が重くなったとしても、過剰に緊張してしまうという状態にはならず、重量を重くするリスクが少ないということがあります。
また、あまり重量が軽すぎても、これらの大きな筋肉のバネの力が十分引き出されず、その場合、無意識的にひざ、足首まわりの小さな筋肉を強調した動きになってしまいやすいので、軽すぎることでのデメリットが際立ってしまう可能性があります。
ある程度、姿勢や動作バランスが上手く表現できるという前提はありますが、下半身をメインで動かす種目については重量を調整することで、より効果的な取り組みになるというケースも多いので、第一歩としてはおススメです。
ただ動作バランスについてはできていると思っても、実際、うまく表現できていなかったり、無意識に力んでしまっているというケースもありますので、重量調整の際にはトレーナーと相談しながら進めて頂くのが良いと思います。
今回のまとめ
それでは今回のまとめです。
今回は初動負荷トレーニングで重量はどのように調整していくといいか、という内容について解説させて頂きました。
●初動負荷トレーニングでの重りの役割のは、身体の中心部分の筋肉のバネの力を引き出すこと
●重量調整の前に身体の中心部分が、伸ばされる動作を身につけることが大事
●重量調整するなら、まず下半身の種目から入るのがおススメ
こういった内容をお伝えさせて頂きました。
初動負荷トレーニングの中でも、重量をどう設定するかというのは重要なテーマです。
ただ、軽いからよい、重いからダメということではなく、何のための重量か、ということを正しく知って頂いた上で、より成果を上げるための一つの要素として、今回の内容も取り入れて頂ければと思います。
それでは今回はここまでになります。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
==========
■故障予防、スポーツ動作のヒントを無料メルマガで!
お身体の「故障や不調」「スポーツ動作」でお悩みの方が良くなるための「知識、考え方」をメルマガでお届けしています。youtubeやblogに非公開の情報も時々届きますので、ぜひご登録ください。