今回は「坐骨神経痛」というテーマについて解説させて頂きます。
✅お尻から裏ももに痺れがあり、日常生活に支障がある
✅痺れがある時は運動してもいいか、安静にした方がいいか
こんなご相談をよく頂きます。
確かに坐骨神経痛は、長時間歩いたり、立っているだけでも痛みやしびれが強くなってくるというケースもありますので、運動することで痛みやしびれが強くなってしまうんじゃないか、というご不安をお持ちの方は多いと思います。
ただ、姿勢や筋肉の硬さが影響している場合、動かさないでいると、もっと筋肉が硬くなってしまってなかなか症状の改善につながらない、という側面もあります。
そこで今回は「坐骨神経痛の原因とストレッチやトレーニングで気を付けること」というテーマについて解説したいと思います。
この記事をご覧頂くと、、、
●坐骨神経痛がある方が動く時に気を付けることは何か
●具体的に負担をかけずに動くためのポイント
等についても分かるようになっていますので、ぜひ最後まで見ていってください。
■動画で解説はこちら
坐骨神経痛には色々な原因がある
まず初めに、坐骨神経痛には色々な原因があるという話をさせて頂きます。
坐骨神経は、腰の骨である腰椎の下部と骨盤の中心にある仙骨という骨から出ている神経です。
非常に長い神経で、お尻から裏ももの筋肉のすぐ下を通って、ひざの裏あたりまで伸び、そこから主に脛(すね)の方に行く総腓骨神経(そうひこつしんけい)とふくらはぎ側にいく脛骨神経(けいこつしんけい)に分かれます。
このように神経が非常に長い、という特徴がありますので、この神経が影響を受ける要素も多岐にわたります。
例えば、坐骨神経の大元である腰椎の部分では、背骨の間にあるクッションの役割をもつ椎間板が、姿勢等の影響で後ろに飛び出てしまい、坐骨神経を圧迫する椎間板ヘルニア。
加齢等の影響により、椎間板がつぶれてきたり、背骨を支える靭帯などの変化により、坐骨神経を圧迫する脊柱管狭窄症等があります。
さらにその後は、お尻や太もも裏側の筋肉等、様々な筋肉の間を通っていきますので、これら筋肉の硬さや姿勢の変化等によって、坐骨神経が圧迫される等して、痛みや痺れの神経症状が出る可能性もあります。
このように原因としては様々なケースがありますので、同じ坐骨神経痛の症状をお持ちの方でも負担のかかる動きが変わってきます。
腰を前に曲げる動き、あるいは後ろにそるような動きで症状が強くなる、股関節を内側に捻る動き、あるいは外側に捻るような動きで症状が強い等、個々で違いがあります。
基本的には症状が強くなる動きは、負担がかかっている可能性が高いので、トレーニングやストレッチ等に取り組む場合は、その動きを避けた形で行っていくことが大切になります。
多くのケースで共通する負担なく動くポイント
次に、多くのケースで共通する負担なく動くポイントについて解説させて頂きます。
先程、坐骨神経痛には様々な原因があるので、トレーニング等で取り組むポイントもそれぞれ違うという話をさせて頂きましたが、多くのケースで負担なく動きやすい共通したポイントがあります。
それが「ひざが曲がった状態で動く」ということです。
なぜ、ひざが曲がった状態で動くと負担がかかりづらいのか、ということですが、そこには神経が緊張するもう1つの要素が関わっています。
実は、神経も筋肉と同じように身体の体勢が変わることで、伸ばされたり、緩んだりしていて物理的に伸ばされることで緊張します。
元々、症状のある方は、すでに坐骨神経が緊張した状態にありますので、少し伸ばされるだけでも緊張が強くなって症状が強く出てしまう、ということにつながってしまいます。
坐骨神経が最も伸ばされる体勢が、ひざが真っ直ぐ伸びた状態で、真っ直ぐ脚を上に上げてきた体勢なので、ひざを曲げることで、この坐骨神経が緩んだ状態をつくりやすくなり、比較的、負担をかけずに動きやすくなります。
もちろん、ひざを曲げていれば、どんな動きでも全く負担がかからない、ということではないのですが、症状が強くなる体勢を避けるという取り組みに、1つの要素として取り入れることで、より負担なく動ける範囲が広がりやすくなります。
姿勢を整えることも大事
続いて、姿勢を整えることも大事、という話をさせて頂きます。
筋肉の硬さも腰回りの組織の変性も姿勢の影響がありますので、負担をかけない良い姿勢がとれるようになることも、効果的な取り組みになります。
具体的に、良い姿勢とは、身体の各パーツが垂直に揃った姿勢のことです。
なぜ垂直に揃うことが良いかというと、地球上で常に影響を受けている重力によるストレスを最小限にすることができるからです。
垂直に揃える方法としては、腰幅のスタンスで足裏の外側に体重が乗った状態で、おへその下を前に持ってくるようにすると、比較的垂直に揃いやすくなります。
ただ、坐骨神経痛の症状がある場合、すでに筋肉や神経が緊張状態にありますので、このような姿勢を取ろうとする過程で、緊張が強くなって症状が出やすくなる可能性があります。
そういった場合は、腰幅のスタンスでも、少しつま先を開いた状態をつくったり、無理におへその下を前に持って行かず、足裏の外側の体重を乗せる中で、自然に前に行く範囲にとどめる等、お身体の状態に合わせた取り組みが必要になります。
形としては良い姿勢であっても、身体全体が緊張している状態では本末転倒ですので、この辺りは坐骨神経痛でない方も参考にして頂ければと思います。
初動負荷トレーニングの取り組み例
それでは参考までに初動負荷トレーニングの中で、様々な状態に合わせた取り組みの一例をご紹介させて頂きます。(画像をクリックすると動画に移動します)
①腰を後ろに反る動きで症状が強い場合
②腰を後ろに反る動きで症状が強い場合
③股関節を内側に捻る動きで症状が強い場合
初動負荷トレーニングの取り組み例
それでは今回のまとめです。
今回は「坐骨神経痛の原因とストレッチやトレーニングで気を付けること」について解説させて頂きました。
●坐骨神経痛の原因は様々なので 症状が強くならない体勢を見つけることが大事
●ひざを曲げたバランスで動くことで比較的 負担はかかりづらくなる
●姿勢を整えることも大事
こういった内容をお伝えさせて頂きました。
坐骨神経痛は、長年の姿勢のクセやそれによる筋肉の緊張等で起こっていることも多いので、なかなか改善されないケースも少なくないと思います。
ただ、ご自身の症状が強くなる傾向に合わせて無理ない範囲で身体を動かしながら姿勢を整えていくことで、良くなられているケースも多いので、今回の内容も参考になればと思います。
それでは今回はここまでとなります。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
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