炎症は悪…ではなかった
「炎症=悪」…と思いきや、実は疲労やケガからの回復になくてはならないものだった!
今回はこんなお話です。
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✅運動後は欠かさずアイシングしている
✅冷やして炎症を抑えないと疲労回復が遅れると考えている
こういう方が多いと思います。
確かに運動後は、筋肉に炎症が起きているので、それを冷やして抑えようとする発想は一見すると良いように思えます。
ただ、一方で、1日100球以上投げるプロ野球のピッチャーでも、投球後、一切、アイシングをせずに先発ローテーションを守り、肩、ヒジの故障なく、長くプレーしてきた、という方もいらっしゃいます。
実は近年、アイシングは回復を早めるどころか、かえって回復を遅らせるという研究結果も出てきているんですが、このことを知らずに義務的にアイシングを行う中で、疲労回復を遅らせてしまっているケースも少なくないと思います。
そこで今回は、疲労回復にアイシングが向かない理由を様々な面から解説したいと思います。
この記事をご覧頂くと、、、
●炎症の正しい捉え方
●運動後、どのようなケアをすべきか
等ということが分かるようになっていますので、ぜひ最後まで見ていってください。
■動画で解説はこちら
■炎症をどうとらえるか?
まず初めに炎症をどうとらえるか、という話をさせて頂きます。
一般的に炎症は身体に悪いものとして、目の敵にされる傾向があります。
しかし、近年の様々な研究の中で、組織損傷後に起こる炎症は、身体の中で起こる正常な回復の一過程で組織の再生に必要な反応である、ということが分かってきています。
実際、1970年代から「RICE」という用語で、ケガや激しい筋肉痛に対する治療方法のスタンダードを構築し、アイシングを推奨していたマーキン博士は、自身のHPで次のように述べています。
しかし今、明らかになったのは、アイシングも完全な休息も回復を遅らせているだけで効果がない、ということだ
but now it appears that both Ice and complete Rest may delay healing, instead of helping.
引用:Dr.Markin.com ―Why Ice Delays Recovery
また神戸大学のホームページでは、アイシングが肉離れなどの筋損傷後の再生を遅らせるという研究内容が公開されています。
参考:Research at Kobeーアイシングは肉離れなどの筋損傷後の再生を遅らせる
いずれもアイシングにより、炎症細胞の到着が遅れるために、回復過程が遅れる可能性が示唆されています。
■アイシングで疲労や痛みが和らぐのはなぜ?
でもアイシングをすると、疲労感が和らぐ感じがするんです、、、こんな方もいると思います。
このあたりは感覚の話なので、実際、何がそう感じさせているか断定できるものではないのですが、要因の一つとして考えられるのは、アイシングすることで冷やした場所の感覚が鈍くなる、ということです。
一定時間アイシングすることで、その部分の感覚が鈍くなるために、疲労や痛みを感じづらくなることはあります。
ただこれは、実際に回復しているわけではなく、あくまで感じていないだけなので、長期的にみると、回復は遅れてしまっているかもしれません。
さらにアイシングのデメリットとしては血流が十分行きわたらなくなり、疲労物質等が蓄積してしまうことで疲労感が抜けないということに、つながる可能性もあります。
また筋肉が冷えることで硬くなりますので、その後の身体バランスやパフォーマンスへの影響も懸念されます。
■運動後、どのようにケアすべきか?
では運動後、身体が疲れている時、どのようにケアすべきか、ということですが、初動負荷トレーニングができる環境の方には積極的にトレーニングをして頂いています。
疲労回復のカギになる血流が促されるだけでなく、強張った筋肉が柔らかくなる、身体バランスが整う等、色々な面での回復が期待できるからです。
初動負荷トレーニングができない環境では、バランスを意識したウォーキングや動きを伴ったストレッチ等、強度の高くない中で、身体全体を楽に動かせるものの採用をおススメしています。
その上でしっかり栄養と休養を取ること、入浴などで血流を促進させることも疲労回復に役立ちますのでご確認頂ければと思います。
■今回のまとめ
それでは今回のまとめです。
今回は疲労回復にアイシングが向かない理由について解説させて頂きました。
●炎症は回復過程に必要な反応
●アイシングで炎症を抑えると回復が遅れる可能性がある
●疲労回復を促すには負担のない形で動くことが大事
こういった内容をお伝えさせて頂きました。
運動後のケアについては、個々、チームで色々な考えがあると思いますが、アイシングをしない選択肢がある、ということを知って頂いたうえで、ご自身にとってベストな選択は何か、ということを先入観なく考えるきっかけになればと思います。
それでは今回はここまでとなります。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
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■この記事を書いた人
小学生からバスケットボールに取り組んできたが「センス、能力のないやつはもっと努力しろ!」と言われ、基礎練習やウエイトトレーニングを人一倍頑張ってきた結果、左手でドリブルがつけなくなる 3ポイントシュートが届かなくなる故障が増える等の事態に直面。従来のトレーニング方法、練習方法に疑問をもち、模索する中で初動負荷トレーニンにたどり着く。雲水グループ創業メンバーの一人。詳細はこちらから |