彼は野球部に所属している20歳の選手。
脚が速いことが売りの選手でしたが、高校時代からハムストリングスの肉離れに悩まされていました。
復帰してしばらくするとまた肉離れをして試合に出られない、ということがよくあったそうです。
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「できるだけ試合に出続けたい、そのために癖を解消したいけど、やっぱり上手に向き合っていくしかないですかね・・・。」
彼は肉離れをする度に一般的な冷やして、圧迫固定するという処置を繰り返し、痛みがなくなれば、その場所の筋力向上、柔軟性改善に取り組んでいました。
そういった相談を受けていました。
一般的には適切な方法だと思いますが、このような対応だと肝心の動きの癖は変わっていないため、復帰してもまた同じクセ、同じ動き方で負荷が加わってしまい、同じ部位の故障を繰り返してしまう可能性があります。
そこで考えなければいけないのは、良くない身体の動かし方を見直していくことです。
つまり、故障した場所だけでなく、他の場所や、全体的な動き、バランスなどから、どのようにアプローチするといいか見定める必要があります。
今回は彼の普段の歩き方なども参考にしながら、ハムストリングスと逆の働きをする筋肉に注目しました。
なぜ逆の働きをする部位に注目したか?
ハムストリングスは太ももの裏側についています。
走る時で言えば骨盤を前に運ぶ動きに使われるのですが、この時に反対側にある「股関節の前側周辺の筋肉」が柔らかく伸びないと、骨盤を前に運ぶ動きに抵抗します。
そうすると、必要以上にハムストリングスが力を出さないといけなくなるため、負担がかかる可能性があるからです。
彼の姿勢や歩き方を見ていると、股関節の前側が伸びるシーンがなかったので、今回、この股関節の前側を伸ばす、という方向性で対応させて頂きました。
実際の取り組みの一例がこちらです。
このような取り組みを重ねる中で、最近のリーグ戦では肉離れを再発することなく、全試合出場することができた、とご報告頂きました。
同じようにハムストリングスの肉離れを繰り返して、思うようにプレーできずにお悩みの方の参考になれば幸いです。
最後まで、お読み頂きありがとうございました。