【プロフィール】トップトレーナー 宇都宮裕

ワールドウィング雲水グループコーチングスタッフの宇都宮裕(ウツノミヤ ヒロシ)です。

初動負荷トレーニングを通じて多くの人に関わることができ、また皆様のお身体が変わる時の喜び、感動を一緒になって感じることができることに「幸せだなあ~」と思いながら現場に立たせて頂いています。

もちろん、苦しいことや辛いことがないわけではないですが、それを補って余りある皆様の感動の嵐に感極まって涙が出そうになることもしばしばです。そんな私もいろいろな悩みを抱え、初動負荷トレーニングにたどり着き、救われた一人でした。


私と初動負荷トレーニングとの出会いは、今から大学時代までさかのぼります。

当時の私は、小学校から取り組んでいるバスケットボールという競技に全エネルギーを注いでいました。

小さい時から一つのことに夢中になり、追究していく性格でしたので部活ではバスケットボール、遊ぶ時もバスケットボール、寝る時もバスケットボール抱いて寝ていました(笑)

そんなバスケ漬けの学生生活は常に故障との戦いでした。度重なる前ももの肉離れ、足首の捻挫等で満足に練習できないこともしばしば。

「予防」という名目で基礎練習やウエイトトレーニングを人一倍頑張っていましたが、取り組めば取り組むほど、身体が思うように動かなくなっていく感覚も同時に持っていました。

次第に左手でドリブルがつけなくなり、パスには回転がかからず、 味方の手元でフォークボールのように落ちる、最終的には3ポイントシュート(少し遠くから打つシュート)が届かなくなりました。すべては小学生の時でさえ、できていたことなのに・・・この時のショックは大きかったですね。なんとかしようと、さらにウエイトトレーニングに力を入れ、トレーニングで持ち上げられる重量はどんどん増えていきましたが、事態はどんどん深刻になっていきました。

周りからは「筋トレマニア?」「頑張っているけどあれじゃあ・・・」等と馬鹿にされる日々・・・

「センス、能力のないやつはもっと努力しろ!」と指摘され、さらに必死で取り組みましたが、一生懸命やればやるほどイメージと実際の動きのギャップが大きくなり、

「一体、何のために頑張っているんだろう?」

という思いの中、大好きだったバスケットボールに対して また、自分の人生に対して意欲を失いかけていました。

そんな時に出会ったのが初動負荷トレーニング。90年代の終わり・・・イチロー選手の取り組みが話題になる少し前のこと。当時、このような経緯からトレーニング方法に疑問を持ち、書店でトレーニング関連の本を読みあさる日々でした。

そんな中、1冊の本に出会います。「初動負荷理論による野球トレーニング革命」。 最初は勉強の一環として何となく読んでいましたが、 読み進めるごとに今まで自分が抱いていた数々の疑問はどんどん解決され、読み終える頃には興奮と感動で胸には熱いものがこみ上げていました!

「これだ!」
「そういうことだったのか!」
「やっと長年のしがらみから解放される!」

そんな感覚でした。それからは毎日その本を読みました。ボロボロになるまで何度も何度も読みました。そして、

「このトレーニングを実践してみたい!」
「この理論を提唱している人にお会いしたい!」

気づけばワールドウィングエンタープライズ(本部)のある鳥取県に来ていました。実際に初動負荷理論に基づく専用マシーンでのトレーニング、 走り方、動き方に取り組む中、身体はどんどん動くようになり、

「もう一度バスケットボールがしてみたい!」
「これでもっともっと上手くなれる!」

と久しく抱くことができなかった感情が、雪崩のように押し寄せてきました!

とにかくトレーニングが楽しくて、変わることがうれしくて、あっという間に時間が過ぎました。合宿最終日は本当に帰るのが惜しかったです。それからというもの、定期的に鳥取まで足を運ぶ中で、バスケットボールでは思い通りに身体は動くようになりました。左手のドリブルも、パスも、3ポイントシュートも、今までうまくいかなかったのが嘘のようにイメージ通りにできました。

そして気づけばスターティングメンバーとして、コートに立つまでになっていました。盛んに言われていた「センス」「能力」というのはいったい何だったのか、今までの練習方法はいったい何のために作られたんだろうか・・・様々なことに疑問を持つようになったのもこの頃です。



それから少しして、私はある中学校にバスケットボール部専門の講師として関わらせて頂いておりました。理由は私と同じような苦しみを子供たちに味わせたくない、思いっきりバスケットボールを取り組めるようにしてあげたい、というシンプルな想いからです。

実際現場では、何のために行っているのかよくわからないようなトレーニングや動きの練習等に苦しんでいる子、それでも真面目にメニューをこなそうとする子、故障に苦しむ子等、過去の自分とよく似た状況の子供たちが数多く見られました。

「こういう風にすれば楽にスムーズに動けるよ」
「トレーニングもこういうふうにすれば、、、」

等というやりとりから、実際に動きが変わって喜ぶ彼らの笑顔、そのような雰囲気はとても良いものでした。しかし、世の中には常識というものがあり、それから逸脱するものに関しては拒絶される、排除される傾向があります。子供レベルでは伝わることが大人には伝わらないのです。保護者の方や先生方にはどうしてもうまく伝わらず、ついには子供たちが私と先生方の間で板挟みになるという事態になってしまいました。

「どうしてこっちの方が動きやすいのに、こんな練習をしないといけないの?」

子供たちからの問いに返す言葉がありませんでした。いったい自分は何のために来ているのか、自分がいることでかえって子供たちは苦しんでいるじゃないか・・・自問自答の日々でした。鳥取のワールドウィング本部にも何度も足を運び、何か打開策はないかと必死で考えましたが、どうしても答えは見つからず、ついにはこの中学校を去ることになりました。その日は自宅のトイレにこもり、ひたすらうつ向いていました。

 


現場から離れ、考えました。なぜこのような事態を招いてしまったか・・・たどり着いた結論は自分自身の未熟さです。やはり大人に充分説明することができなかったのは、自分自身の知識不足、理解不足が原因である、しっかりこの初動負荷トレーニングを勉強しよう、そしてまた現場に戻ったとしても、子供たちを苦しませないような状況をつくろうと心に誓いました。

そんな想いで初動負荷トレーナーになるための研修を受けに、ワールドウィングエンタープライズ(鳥取本部)の門を叩きました。勉強を重ねるほど、当時のことを思い出しました。「もっとこういう形で説明すればよかった・・・」「こういう形で理解できていればあの人にもちゃんと伝わったかもしれない」等、いろいろな想いが巡ります。

今もまだ未熟ではありますが、いつの日にか私と同じように苦しむ子供がいなくなる、一生懸命取り組む人が報われる、そんな世の中になればと思っています。一生懸命取り組む人ほど成果が出ないなんて倫理的にも良くないですから。

実際、ワールドウィング雲水グループに所属し、現場に立たせて頂くようになって感じることがあります。それは子供だけでなく、大人も誤った常識、歴史的誤解とも言えることに縛られて、私や私が見てきた子供たちと同じような境遇に陥っている方が多いということです。

そんな皆様に、こんなふうに動けること、あきらめなくていいことをお伝えできれば、きっと笑顔になる方が増え、多くの方が伸び伸びと明るく過ごせる地域づくりの一助になるんではないか・・・なんていうこと本気で思っています。こんな私ですが、今後ともどうぞよろしくお願い致します。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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