動作をデザインしてコーディネートする仕事

私がトレーナーという仕事を志して早10年が経過しようとしています。
思い返せば研修時代の極貧生活から始まり、現在では代表取締役という肩書も付きました。

今でも変わらずトレーナーとして現場に立ち、毎日トレーニングをし、怪我や痛みの悩みから抜け出せる喜び、子供の頃のような動くこと自体が楽しいという感覚、健康であるという事の本質を、このトレーニングから学び続けています。

そんなトレーナーという仕事について最近思うことがあります。

それは、この仕事が動作のデザイナーであるということです。

恐らく大多数の方は、トレーナー=デザイナー業と捉えてはいないと思います。

初動負荷トレーニングはただのウエイトトレーニングではなく、「動き」にアプローチしているトレーニングです。
つまり、硬くなって失われた動きや、できなかった動きを引き出しているのです。

しかし、一部分の動きを引き出すだけではバランスが悪くどこかにひずみが出てしまいます。ならば全身均等に動きを引き出せばよいかというとそうでもありません。元々のバランスが良くなければ、同じようにどこかにひずみが出てしまいます。どこの動きを引き出せば、全体のバランスはどのように変化するか?を考える必要があります。

現場でも、例えば膝の痛みを抱えている方に「つま先の向きはどっちを向いているか?」「この時の足裏の荷重感はどこにあるか?」「左右の肩の位置に違いが無いか?」「骨盤はどちらが前に出ているか?」等の視点を持ちます。

痛みが生じている個所以外に目を向け、膝のバランスを崩している要因となっている個所を探ります。

仮に、右側のつま先が外側を向いている事でバランスが崩れている場合、「右のつま先が外側を向いている要因は何か?」を考えます。それは、「股関節が硬くなったりバランスが良くないのか?」、「肩甲骨の位置が左右で大きく違いがあるのか?」と、末端部(身体の先端側)から根幹部(身体の中心側)へと根本的な要因がどこにあるか目を配ります。

このような視点から、膝の痛みを抱えている方に肩のトレーニングを推奨したり、股関節のトレーニングを推奨する事は非常に多いです。実際に痛みが生じている個所は、他の個所の動きが失われ、バランスが崩れ、動きにロス(無駄)が生まれた結果であることが多いのではないかと思っています。

膝に痛みがあるので膝をトレーニングする、腰に痛みがあるので腰をトレーニングするという事ではなく、「そもそも、どこの動きが失われて痛みが生じているのか?」を考えることを大切にしています。

このように、私達の仕事は単に筋肉を鍛える、柔軟性を高めるという事ではありません。

「動作をデザインし、コーディネートする」

ある意味では繊細さが求められること、そしてその奥深さに触れると、この仕事の魅力を強く感じます。

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この記事を書いた人

村上 友太(ムラカミ ユウタ)2008年入社

兵庫県神戸市出身。初動負荷トレーニングとの出会いは18歳の時。初めて初動負荷マシーンを動かしたときの感覚は、一言に「革命だった!」という。それまでは、とにかく怪我の多いバスケットボール選手で、脚の故障においては数えきれず、一年間で数回もの疲労骨折を起こしたこともある。しかし、初動負荷トレーニングに取り組み始めて一変。故障は激減し、シーズン通して健康でいられるようになった。元々、これだ!と思うものが見つかると、もはやそれしか考えられなくなる性格。その頃からこの職業に就くことをずっと考えていた。雲水グループ創業メンバーの一人。詳細はこちらから

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